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広空襲の記憶 故郷で伝える 広南中で吉本さん

 呉市広長浜出身の戦争語り部吉本美子さん(80)=奈良県橿原市=が15日、故郷の広南中で広地区での空襲など自身の戦争体験を語った。1、2年生や保護者、住民たち約80人が話を聞いた。

 広空襲は1945年5月5日にあり、国民学校2年生の吉本さんの8歳の誕生日だった。空襲警報のサイレンが鳴り、学校から防空壕(ごう)に逃げ込む状況を説明。「忘れられない誕生日。防空壕に逃げ込むのが2、3秒遅ければ爆風で飛ばされて命を落としていたかもしれない」と明かした。

 広地区から見た広島市の原爆の様子や終戦を知らせる玉音放送を聞いた時の感想なども紹介。吉本さんは「平和について考えるきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。

 地域の戦跡などを調べている学校が、橿原市で語り部活動に取り組む吉本さんに依頼した。2年岩岡真綾さん(14)は「地元の戦争に関して理解を深め、伝えていきたい」と話していた。(浜村満大)

(2018年3月16日朝刊掲載)

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