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「非核化へ関係国関与を」 広島で国際シンポ 北朝鮮問題を議論

 国際シンポジウム「アジアの核・ガヴァナンス・平和」が17日、広島国際会議場(広島市中区)であり、北朝鮮の核問題をはじめとするアジアの地域課題について、中国と韓国からの専門家も交え議論した。広島市立大広島平和研究所と長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の主催。

 韓国・ソウル大の金聖哲(キム・スンチュル)教授は北朝鮮の核開発について、17年前の米中枢同時テロを機に米国が敵対国への先制攻撃と体制転換を前面に出したことが大きかったと指摘。米朝首脳が初の会談に意欲を見せていることを巡り、「北朝鮮にとって金正恩(キム・ジョンウン)体制の保証が最優先だが、交渉の要は非核化。米朝交渉とはいえ日本など他の関係国の関与がなければいけない」と強調した。

 一方で北朝鮮の同盟国の中国は「体制崩壊につながるほど非核化を追求するつもりはない」と韓国・世宗研究所の李成賢(イ・ソンヒョン)常任研究委員が指摘。米朝関係の改善なしに中国の対応はそう変わらないとの見通しを示した。

 出席者は「核保有を認めての体制保証になるのではないか」「非核化を前提としない方が米朝関係が安定するとの見方もできる」などと問題提起していた。

 東南アジア各国の現状に関する広島平和研究所のナラヤナン・ガネサン教授の報告などもあった。国際シンポは18日午前まで。(金崎由美)

(2018年3月18日朝刊掲載)

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