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原爆の惨状 次代に継承 岡山で平和展 写真や絵が無言の訴え

 広島、長崎の原爆の惨状を伝える「第20回原爆平和展」が、岡山市北区駅元町の岡山シティミュージアム5階ロビーで開かれている。岡山市原爆被爆者会の主催。戦争体験や被爆体験が風化する中、継承する大切さを訴える。25日まで。(岩崎信明)

 原爆投下直後の広島市の写真や被爆者が描いた絵のパネルなど約30点を展示。爆心地に近い電車通りで水を求めて防火用水に人々が群がる様子が描かれた絵の前では、家族連れらが足を止めて真剣に見入っていた。

 岡山市南区妹尾2丁目、会社員中川守さん(67)は「原爆のむごさが伝わってくる。絶対にあってはいけないこと」と話していた。

 市原爆被爆者会の会員はことし3月31日現在、832人で平均年齢は約80歳。14歳のとき現在のJR広島駅(広島市南区)で被爆した平末豊会長は「20回を機にこの展示会を平和の原点と認識し、原爆の悲惨さを子どもたちに伝えていきたい」と力を込めた。

 原爆平和展は、昨年までは天満屋岡山店(北区表町)の地下のアートスペースで8月に開かれていたが、改装で狭くなったことから会場を変更。新しい会場の同ミュージアムでも改装工事などがあり、11月の開催となった。来年は8月に開くという。

(2012年11月24日朝刊掲載)

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