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[イワクニ 地域と米軍基地] 残る主力機 きょうにも配備 艦載機 移転完了前倒し

 米軍岩国基地(岩国市)へ厚木基地(神奈川県)から空母艦載機が移転する計画で、中国四国防衛局は23日、残るFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2部隊(24機程度)が「早ければ24日ごろから移る」と岩国市や山口県に伝えた。国が当初「5月ごろ」と説明していた移転完了時期は前倒しとなる。

 岩国市役所には防衛局の赤瀬正洋局長が訪れ、福田良彦市長と面会。移転が早まる理由について「米軍が運用状況などを総合的に判断した」と説明した。艦載機が所属する第5空母航空団の司令部機能の移転にも言及。昨年8月、岩国基地内に新庁舎が完成し、厚木基地から移る準備が進んでいるとした。

 福田市長は、万全な騒音対策▽航空機の安全対策の米側への要請▽米軍人たちの犯罪や交通事故を防ぐための教育訓練―などを赤瀬局長に求めた。また防衛局側は山口、広島両県や基地周辺市町に対しても、幹部の訪問や電話で移転日程を伝えた。

 スーパーホーネットは米海軍の主力戦闘攻撃機。米海兵隊所属の従来型ホーネットに比べてエンジン出力が大きく、厚木基地周辺の騒音被害の主因とされてきた。岩国基地へは昨年11~12月、同機種の2部隊(24機程度)が先行して移転している。

 このほか、艦載機は昨年8月以降、E2D早期警戒機5機▽EA18Gグラウラー電子戦機6機程度▽C2輸送機1機―も段階的に配備された。C2は2機の予定だったが、うち1機は昨年11月に東京・沖ノ鳥島沖で墜落。当初計画で全61機とされた移転機数について、防衛局は「約60機」と説明している。

 艦載機部隊の段階的な移転日程を巡り、防衛局が地元自治体に伝えるのは4回目。過去3回はいずれも通知後5日以内に到着しており、残る2部隊も今月中に移転を終える可能性がある。完了すれば、海兵隊機を含む岩国基地の所属機は約120機となり、極東最大級の航空基地に変貌する。(松本恭治)

(2018年3月24日朝刊掲載)

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