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広島訪問「力強い影響」 オバマ前米大統領が来日

 オバマ前米大統領が25日、東京都内であったイベントに出席し、2016年5月に現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪問したことについて「非常に力強い影響を受けた瞬間だった」と振り返った。

 東京のNPO法人が開いた「第4回世界オピニオン・リーダーズ・サミット」に招かれ、ブレンダン・スキャネル元駐日アイルランド大使との対談で述べた。広島で被爆者代表と対面したことに触れ、「指導者が決定した戦争で苦しむのは普通の人々だ。指導者は国を敵国の侵略から守るだけでなく、紛争を避けなければならない」と語った。

 また米ロ関係の緊迫化を踏まえ、核軍縮が進みにくい状況にあるとの認識を示した。その上で「将来にわたって進展しないわけではない。孫世代を守るため、核兵器削減の種をまかないといけない」と訴えた。

 核・ミサイル開発を進める北朝鮮については「世界の脅威だ」と強調。「外交で平和に解決したいが、1国だけではできない」として、各国が連携して圧力をかける必要性を指摘した。

 オバマ氏は17年1月に大統領を退任した。来日は広島訪問以来で、この日はイベントの後、都内のすし店で安倍晋三首相と会い、昼食を取りながら会談した。(田中美千子)

(2018年3月26日朝刊掲載)

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