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県民の支援に感謝 セス事務局長インタビュー 協力関係 さらに深化を

 国連訓練調査研究所(ユニタール)のニキル・セス事務局長が28日、訪問先の広島事務所(広島市中区)で中国新聞などのインタビューに応じた。広島事務所への県民の支援に感謝を表明した上で、今後も長期的に活動を続け、広島との協力関係を深めたいと強調した。(村田拓也)

  ―広島事務所は7月で開設15周年を迎えます。
 これまでに世界90カ国から延べ5400人を受け入れた。数字だけを見るとそれほど大きくないかもしれないが、研修生は一人一人が広島の平和のメッセージを持ち帰り、母国で発信するメッセンジャーとなっている。彼らが母国で指導的な立場となり、変化をもたらす意義は大きい。

  ―本部にとって、広島事務所はどんな存在ですか。
 核軍縮や核不拡散、世界遺産などをテーマにした研修プログラムは、広島で実施するからこそ特別な説得力を持つ。広島は原爆投下後の廃虚から、目覚ましい復興を遂げた。ユニタールの拠点が広島にあるという意義は本当に重要だ。

  ―県をはじめ、地元は支援に積極的です。
 大変ありがたい。支援がなければ、ユニタールは何も活動できない。広島での活動はずっと続けていきたい。広島とユニタールは、お互いに大きな利益をもたらしている。

  ―これからの活動をどう充実させますか。
 新たに、貧困や飢餓をなくし、環境保全を進めるなど、国際社会が協力して2030年までに達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」の分野で人材を育てたい。広島の経済界や学校、市民団体など、多様な人に貢献できるプログラムを考えていく。SDGsがどんなもので、17分野の目標がどう関わりあっているかを学んでもらう。

(2018年3月29日朝刊掲載)

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