×

ニュース

上関埋め立て免許延長申請 再び補足説明求める

 山口県上関町の上関原発建設予定地の埋め立て免許延長を申請した中国電力に対し、山口県は中電に2度目の補足説明を求める文書を送った。回答には約4週間かかる見通し。この間は審査が滞ることになり、今月末とみられていた可否の判断は先送りされそうだ。

 県港湾課によると、文書は22日に中電本社へ発送。県は15日に初回の回答を得て審査を再開したが「あらためて確認を要する部分があり、補足説明を求める」と説明する。ただ、具体的な質問内容は明かしていない。

 中電は10月5日に免許延長を申請した際、主要建物用地の地盤高を海抜10メートルから15メートルにかさ上げする設計変更を申請。県はこの点の追加説明も求めているとみられる。初回は3週間後を回答期限としたが、今回は図面を注文しており4週間後に設定した。中電の回答状況によるが、県の判断は12月16日の衆院選投開票後になる可能性が高い。

 上関など原発の新増設は、民主党中心の現政権が認めない方針なのに対し、自民党は安全性確保などを条件に推進の立場も示唆している。新たな政権の枠組みを見極めて判断したいとの思惑が県にあるとの見方もあり、県議会の一部に「時間稼ぎだ」などの批判もある。

 7月の知事選以降、免許延長の「不許可」を明言している山本繁太郎知事は、取材に対し「きちんと審査して処分する」と答えた。(金刺大五)

(2012年11月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ