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被爆前の姿 復元計画 広島の平和公園レストハウス

 広島市は20日、改修計画を進める平和記念公園(中区)の被爆建物、レストハウスの内外観のイメージを公表した。外壁を前身の「大正屋呉服店」と同じ薄いだいだい色に塗り、平屋根を復元するなどの内容。エレベーターやトイレ設置のため、増築する計画も示した。(江川裕介)

 鉄筋地上3階、地下1階建て延べ1011平方メートル。1929年の建築当時の姿に近づける考えで、外観は外壁を薄いだいだい色に塗るほか、現状の三角屋根から平屋根に変更。正面上部の装飾と3階西側のバルコニー、東側の窓を復元する。

 当時をイメージした内装を施し、1~3階には観光案内所や売店、修学旅行生も食事などで使える約100席を備えた休憩・喫茶室、旧中島地区の街並みを再現した模型などを置く展示室を設ける。地下室はなるべく現状のままとする。

 エレベーター1基を新設し、トイレも増やすため、南側に鉄筋地上3階、地下1階延べ約360平方メートルを増築する。

 この日の市議会経済観光環境委員会で市側が説明した。レストハウスは改修のためことし1月末に休館。耐震改修や内装工事、展示物の作成などを経て、2019年度中の再オープンを目指す。

 レストハウスは爆心地の南西約170メートルに位置し、平和記念公園内では被爆前の面影を残す唯一の建物。市経済観光局は「憩いの場としての機能とともに、平和への思いを共有する場となるように改修を進める」としている。

(2018年4月21日朝刊掲載)

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