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米軍F35緊急着陸 福岡に岩国所属機

 24日午前11時ごろ、米軍岩国基地(岩国市)に所属する海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35B1機が、航空自衛隊築城(ついき)基地(福岡県築上町)に緊急着陸した。防衛省によると、同機種が国内の米軍基地以外の場所に緊急着陸したのは初めて。火災の発生やけが人はないという。

 築城基地によると、F35Bは当時、岩国基地に向かう途中だった。パイロットから「緊急着陸する」と直前に築城基地の管制へ連絡があり、着陸後は、滑走路の運用上支障のない場所に移動させた。米軍が機体を点検し、異常がないことが確認されれば飛び立つ予定という。

 防衛省補償課は「機体に何らかの不具合があった可能性はあるが、詳細な情報は得られていない」と説明している。

 岩国市と山口県には同日午後、中国四国防衛局から「F35B1機が築城基地に着陸した」との一報が入った。市と県は、引き続き情報収集する。

 F35Bは短距離離陸と垂直着陸できるのが特徴。岩国基地では昨年1月以降、16機が配備された。米国外での配備は岩国が初めて。今年3月には、佐世保基地(長崎県佐世保市)の強襲揚陸艦ワスプの艦載機として西太平洋で初めて運用された。

 岩国基地では3月末、米海軍の空母艦載機約60機の移転が完了。既存の海兵隊機と合わせた基地所属機は約120機と倍増し、極東最大級の航空基地となった。米海軍は2021年以降、海軍仕様のF35Cの岩国配備も計画している。(松本恭治)

F35B
 レーダーに探知されにくいステルス性能を高めた米軍の最新鋭戦闘機F35の海兵隊仕様機で、短距離離陸と垂直着陸ができる。2017年、米国外では初めて米軍岩国基地に16機が配備された。海軍仕様のF35Cは21年以降、空母艦載機として同基地に配備される計画がある。空軍仕様のF35Aは航空自衛隊が42機導入する方針で、18年1月、1機が空自三沢基地(青森県)に配備された。

(2018年4月25日朝刊掲載)

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