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被爆前 広島の建物写真か 府中市の民家で発見 情報募る

 府中市上下町の民家で、戦時中の広島県内の建物を写したとみられる写真が見つかった。被爆前の広島市内の建物の可能性もあり、中国新聞備後本社は情報を募っている。

 府中市上下町の写真館経営稲垣千津子さん(62)が、実家を整理していて見つけた。現在の広島市南区にあった旧中国配電南部変電所、中区にあった山中高等女学校の体育館の被爆前の写真などと一緒にあったという。

 写真には幅の広い道路の交差点の角にある建物のほぼ全景が写る。壁に2本の垂れ幕が掛かり、「労務動態調査」「経済戦強調」「広島県」「12月1日」などと書かれている。左端には「市内バスのりば」と書かれたバス停がある。県立文書館の資料によると、労務動態調査は旧厚生省が1939年12月から年2回実施していた。

 原爆資料館によると垂れ幕の標語から戦時中の可能性があるという。千田町にあった広島職業安定所の被爆後の写真と建物の構造が似ているが、柱の位置など違う点もある。

 稲垣さんの祖父の故中山文夫さんは建設会社を経営していた。旧中国配電南部変電所や山中高等女学校の体育館は施工をした関係で写真を撮ったとみられる。写真に関する情報は中国新聞備後本社☎084(923)1718。(河合佑樹)

(2018年5月14日朝刊掲載)

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