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「核禁条約 全ての国に」 オーストリア議長が広島訪問

 オーストリアのラインハルト・トット参院議長(69)が17日、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。同国は昨年国連で採択された核兵器禁止条約の推進国で、今月条約を批准。トット氏は原爆による被害の非人道性に触れ、核兵器廃絶へ「全ての国に条約を批准してほしい」と訴えた。

 原爆資料館を訪れ、米軍の原爆投下による広島の街の壊滅を表したCGなどを、志賀賢治館長の案内で見学。犠牲者の遺品の三輪車などにも見入った。続いて原爆慰霊碑に献花し、原爆ドームを対岸から眺めた。

 トット氏は記者団に、館内に展示されている原爆投下当日の市民の惨状を捉えた写真を挙げ、「大きなショックを受けた」と強調。「全世界に核軍縮の動きが広がってほしい」と、各国による禁止条約の批准がさらに増えるよう望んだ。

 参院の招きで15日に来日。広島は本人の希望で訪れた。(水川恭輔)

(2018年5月18日朝刊掲載)

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