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本館入り口掲示 少女写真で了承 原爆資料館有識者会議

 原爆資料館(広島市中区)の展示見直しに助言する有識者会議は18日、本館の入り口壁面の写真に右手にやけどを負った少女のカットを使うことを了承した。「普通の暮らしをしていた人が被害を受けたと分かる」とし、来春に予定する再オープンに合わせ掲示する。

 写真は、米軍の原爆投下から3日後の1945年8月9日、毎日新聞記者だった国平幸男さんが市内で撮影。同館によると、法歯学の専門家の鑑定などから、少女は10歳で爆心地から約1・2キロで被爆し、42歳で骨髄がんで死去した藤井幸子さんとみられるという。

 この日、広島国際会議場(同)で開いた会議には、委員10人が出席。事務局の資料館がこの写真と、やけど治療を受ける少年のカットの2案を1月の前回に続き提示した。服装から被爆前の日常がうかがえることや、少年は個人が特定できていないことから少女の写真が適当とし、各委員も「被爆後の放射線の影響が伝わる」などと了承した。

 また、「魂の叫び」と題した被爆死した子どもの三輪車などの遺品展示コーナーの在り方も議論。家族の悲しみを伝えるため、等身大の遺影パネルを設けることなどを決めた。(水川恭輔)

(2018年5月19日朝刊掲載)

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