×

ニュース

防音対策 国に要求へ 広島県 艦載機移転で騒音増

 米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転で騒音被害が増えているとして、広島県は18日、日本政府に対し、県内の学校などへの防音対策を求めると決めた。県や市町も併せて騒音被害対策を進める必要があるとし、財源となる新たな交付金制度の創設も主張する。2019年度の政府予算編成に向けた県の政策提案に盛り込み、6月に提出する。

 厚木基地(神奈川県)からの艦載機約60機の移転は今年3月末に完了した。完了までの4カ月間、県内の騒音測定器の設置地点で70デシベル以上の騒音回数が増加。岩国基地に近い大竹市の阿多田島では前年同期の2・3倍となる1109回を記録したほか、廿日市市八坂公園で209回、北広島町西八幡原で185回を記録した。70デシベルは新幹線の車内に相当する。

 住民からは「耳をつんざくようなごう音がした」(北広島町)「毎日毎日爆音。ストレスでどうにかなりそう」(廿日市市)などの声が寄せられたという。このため県は、政府負担で小学校や公民館の防音対策をしたり、空調機器を設置したりするよう求める。

 県は、新たな交付金制度創設について、県内に米軍の訓練空域があることを根拠に提案する。国が山口県だけに支払っている都道府県向け交付金を拡充し、県を支給対象に加えることも候補としている。

 これらの政策は6月6日、湯崎英彦知事らが外務、防衛両省を訪れて提案する予定でいる。(村田拓也)

(2018年5月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ