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社説・コラム

[ハロー ユニタール] 事務局長が資料館見学

 ユニタールの本部はスイス・ジュネーブにあり、広島事務所はニューヨークに次いで開設された世界で3番目の事務所です。

 先日、そのジュネーブから事務局長のニキル・セスさんが広島市を訪れ、湯崎英彦知事、松井一実広島市長をはじめ、多くの方と議論を交わしました。セスさんは国連全体が推進する「持続可能な開発目標」を練り上げた一人でもあり、広島の若きビジネスリーダーたちへの講演も実現しました。

 最終日には、夫人のマドゥ・セスさんと共に原爆資料館を訪問。マドゥさんは、ニューヨークで教師をしていたことがあり、佐々木禎子さんの話を子どもたちに読み聞かせていたといいます。「念願の広島に来ることができた」と感無量のマドゥさんは、展示をただ黙って、涙を手で拭い続けながら見ていました。

 見学後、「世界中の人がここを訪れるべきだ」と強調。セスさん自身も芳名録に「平和、和解、連帯、そして歩み続けることこそが広島のメッセージです」と記しました。

 広島の地にこの事務所がある理由を、改めてかみしめた一日でした。(守田葉子)

(2018年5月8日セレクト掲載)

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