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戦艦大和の遺品公開 呉市 火薬缶や船窓など5点

 呉市は8日、戦艦大和の遺品5点を報道陣に公開した。2016年に海洋開発会社が引き揚げ、市に寄付した18点の一部。市は大和の写真や図面と照合しながら使用方法などの調査を進め、同市の大和ミュージアムが開館15周年を迎える20年度に一般公開する予定。

 公開した5点は火薬缶、火薬缶のふた、船窓、矢印付きのバルブ、備前焼のがいし。火薬缶は直径50センチ、長さ86センチ。そのふたは直径51センチ。当時、世界最大だった大和と同型の戦艦にしか搭載されない貴重なもので、缶1個に約100キロの火薬が入っていたとされる。5点のほかには測距儀やハンドル、「高角」と書かれた目盛りなどもある。

 市が16年5月に九州南西沖の東シナ海で大和の潜水調査をした際、市の委託を受けた深田サルベージ建設(大阪市)が調査後に独自に遺品を引き揚げた。

 大和ミュージアムの戸高一成館長は「大和の沈没や建造が昔話として忘れ去られそうになる中、遺品は歴史的事実として示す記録。いずれも貴重な史料で戦争の悲惨さを考えるきっかけにしてほしい」と話している。(浜村満大、見田崇志)

(2018年6月9日朝刊掲載)

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