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コリアン「希望湧いた」 米朝首脳会談 歓迎・期待相次ぐ

 史上初の米朝首脳会談が開かれた12日、広島市内で暮らす在日コリアンたちからは「平和に向かう大きな一歩だ」「まずは信頼関係ができた」と歓迎や期待の声が相次いだ。

 在日コリアンが多く利用する西区のデイサービス「ありらん」。約20人が居間でテレビを見詰め、午前10時すぎにトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が握手をすると拍手が起きた。「生きているうちに祖国統一がかなう希望が湧いた」。金潤漢(キム・ユナン)さん(89)は目頭を熱くした。

 東区の広島朝鮮初中高級学校では授業の合間に教員が両首脳が握手したことを告げ、生徒から「オー」と歓声が湧いた。高級部3年金智栄(キム・チヨン)さん(17)は「握手なんて想像もできなかった。冷戦のような圧力の掛け合いはやめ、次は米国も核を手放す決断を」と期待した。

 西区の韓国料理カフェを訪れた在日2世の張淑子さん(82)は「在日1世の母は南北統一を願いながら25年前に亡くなった。きょうをきっかけに朝鮮戦争の終戦への流れが加速してほしい」と願った。

 トランプ大統領の記者会見での説明によると、両国の合意は、米国側が制裁を当面続ける一方、対話継続中は米韓軍事演習を中止するなど、双方の妥協点を見いだしたとみられる内容となった。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)県本部常任委員会の呂世珍(リョー・セジン)副委員長(52)は「会談できただけでも意義がある上に、トランプ氏が偉ぶらずに真摯(しんし)な姿勢を見せてくれ、心を打たれた。制裁の継続などはあるにせよ、仲良くやろうという方向性が決まっているので会談を重ねて信頼関係を築いていけば良い方向に向かうはず」と期待した。

 在日本大韓民国民団(民団)県地方本部の李英俊(イ・ヨンジュン)団長(56)は、朝鮮半島に平和的な体制を築くとした合意内容を「北朝鮮の体制保証を意味するのなら複雑な心境だ」としながら「非核化が盛り込まれたことは大いに歓迎したい」と受け止めた。

(2018年6月13日朝刊掲載)
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