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米朝首脳会談 期待と懐疑 交錯 中国地方

 史上初の12日の米朝首脳会談に、中国地方では、東アジアの安定に期待する声と北朝鮮の決断に懐疑的な声が交錯した。呉市の海上自衛隊呉基地や岩国市の米軍岩国基地は、米朝関係の行方に大きく影響を受ける可能性があり、今後の動向を冷静に注視する必要があるとの指摘もあった。

 「歴史的な瞬間」。広島市中区の繁華街で両首脳が共同声明に署名したとのネットニュースを見ながら、同市安佐南区の会社員中島昇平さん(40)は「平和への一歩を踏み出した感じだ」と喜んだ。福山市の川上賢治さん(66)も「非核化の検証方法に疑問も残るが、いい方向に向かっている」と話した。

 米空母艦載機の移転で極東最大級の航空基地になった岩国基地。岩国市の主婦高橋知佳さん(42)は「これまでは基地が標的にされる不安があった。対話を続けて東アジアの緊張緩和につなげてほしい」と願った。

 海自呉基地は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を踏まえ、朝鮮半島有事に備えてきた。呉市の飲食店経営内野静男さん(71)は「自衛隊の負担がいっときでも減れば、その家族も喜ぶだろう。だが、北朝鮮が切り札の核兵器を本当に手放すだろうか。米国もどこまで本気か分からない」。松江市の山口信夫さん(75)も「北朝鮮は何度も約束をほごにしてきた。今後の動きを冷静に見定める必要がある」と厳しい口調で語った。

 北朝鮮への弾道ミサイル防衛(BMD)の一環で、国が導入する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の候補地となった萩市。同市の市民団体代表、森上雅昭さん(65)は「配備は朝鮮半島への緊張と圧力を高めるだけだ」と述べ、配備の再検討を求めた。

 共同声明に日本人拉致問題が盛り込まれなかったことを残念がる声も目立った。広島市中区の会社員広井敏明さん(53)は「本来は日本政府がすべきこと。働き掛けが弱かったのではないか」と指摘した。

(2018年6月13日朝刊掲載)
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