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北朝鮮非核化訴え 平和宣言 広島市長が方針

 広島市の松井一実市長は17日、8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言で、12日の米朝首脳会談を踏まえて朝鮮半島の非核化への確実な取り組みを国際社会に求める考えを示した。「互いに対立姿勢ではなく信頼をベースに」との視点を念頭に、核兵器廃絶に向けた行動理念などを提起する。

 平和宣言の文案を検討する有識者や被爆者の懇談会後、記者団の取材に答えた。「朝鮮半島が緊張緩和に入ったことは評価できる」とした上で「関係する為政者が疑心暗鬼になるのではなく、信頼を醸成しながら安定した平和体制を構築してほしい」と訴えた。

 広島国際会議場(中区)であった懇談会は、冒頭を除き非公開。松井市長を座長に、委員10人が全員出席した。骨子として市長は、被爆の実相▽核兵器を巡る世界の状況▽行動理念▽核兵器廃絶に向けた訴え▽平和への決意や誓い―の5項目を提示。委員からは「被爆者が長年にわたり苦しんできたことを伝えたい」「被爆者が少なくなる中、どう語り継ぐか。その課題を考慮した書き方を」などの意見が出たという。

 次回会合は7月中旬に開き、文案を検討する。委員の意見を踏まえ、原爆の日までに松井市長が起草する。(加納亜弥)

(2018年6月18日朝刊掲載)

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