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山口の首長ら強い反発 地上イージス 防衛相が訪問

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を巡り、小野寺五典防衛相は22日、山口県庁で村岡嗣政知事らと会談した。候補地の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)の現地調査を夏にも始めることに理解を求めた。出席した地元首長からは国が前日に入札を公告するなど、着々と準備を進める姿勢に強い反発の声が上がった。

 国は今月1日、北朝鮮への弾道ミサイル防衛(BMD)強化策として、萩市と秋田市の陸自新屋演習場を候補地として公表。17~19日に住民説明会を開き、21日には現地調査の入札を公告した。夏以降に配備へ向けた調査に入る方針だ。

 会談には村岡知事と藤道健二萩市長、花田憲彦阿武町長らが出席。村岡知事は米朝首脳会談後の北朝鮮情勢を踏まえ「現状で配備の必要性をどう考えているのか」とただした。小野寺防衛相は「日米共通の見方として脅威は何も変わらない」と述べ、従来通り配備を進める考えを強調した。

 藤道市長は「引き続き丁寧な説明を」と要望。小野寺防衛相は前日に入札を公告したとし「調査前に内容を説明したい」と述べた。一方、花田町長は「住民の不安や疑念の払拭(ふっしょく)なく調査すれば丁寧な説明や誠心誠意との言葉はかすむ」と批判。「反対があるのに公告する。そうしたことにものすごく不信感がある」と憤った。

 小野寺防衛相は同日夕、秋田県の佐竹敬久知事らとも会談し、配備への理解を要請した。佐竹知事は「地元感情を軽視している」と反発した。(和多正憲)

(2018年6月23日朝刊掲載)

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