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原発災害の緊急防護措置区域 「上関町八島は島全体」

 山口県は20日、原子力災害を想定した県地域防災計画の策定に向け、学識者で構成する専門部会の初会合を山口市で開いた。四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の30キロ圏内に一部が入る上関町八島について、島全体を緊急防護措置区域(UPZ)に設定するよう提言があった。

 放射線や原子炉工学の専門委員6人のうち、座長の三浦房紀山口大大学院教授ら4人が出席。県側は八島について、一部が防災対策の重点地域とされるUPZの目安の30キロ圏内に入る▽島人口は10月現在38人で大半が高齢者▽圏内に住む島民はいない―などと報告。UPZの範囲への助言を求めた。

 委員側は島全体を範囲とするのが適当という意見で一致。「高齢者が多いことを踏まえて、避難対策を準備する必要がある」「場所を移動する手段の確保が重要」などとした。

 県は専門部会の意見を尊重する方針で、上関町の具体的な避難計画作成を支援する。県防災危機管理課は避難の手段として町営定期船や海上保安庁の船、県のヘリコプターなどを想定している。

 県は専門部会から助言や指導を受けて地域防災計画案を作成し、来年3月の県防災会議(会長・山本繁太郎知事)で承認を受ける予定。(金刺大五)

(2012年12月21日朝刊掲載)

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