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被爆児童の思い代読 中区で30日 市民劇団朗読会 みどり坂小3年横山君

 原爆をテーマに朗読会を続ける広島市の市民劇団「ふらっと」で、ただ一人の小学生団員が練習に励んでいる。みどり坂小3年横山義弘君(9)=安芸区。30日に中区である朗読会で、被爆し差別に苦しんだ小学生の詩などを読む。

 詩集「原爆雲の下より」に収録されている「ぼくのあたま」など4編を読む。2歳で被爆した男の子が、小学4年生の時に書いた。「ピカドンでぼくのあたまははげた」「大きくなってみんなが『つる』とか『はげ』とかよんだ」-。男の子の胸の痛みが、言葉ににじむ。

 昨春、詩に出合った頃は読むのがつらく、練習を休みたい日もあったという。だがその夏、両親と原爆資料館(中区)を訪れた時。「怖い」と展示から目をそらそうとした時、「でも、伝えていかなきゃいけないよね」と母潔実さん(47)に言われた。逃げずに詩を読もうと決めたという。

 他の団員8人は20~60代。横山君は小学生の自分だから伝えられることもあると語る。「僕と同じ小学生が原爆でどんな思いをしたのか、多くの人に届けたい」

 朗読会「あの日、僕達はヒロシマにいなかった」は30日午後4時、中区大手町の市男女共同参画推進センターである。7月1日も同所であり、午前11時半と午後3時半から。入場料500円。(大川万優)

(2018年6月26日朝刊掲載)

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