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折り鶴で「原爆の子の像」 折り紙博物館 オブジェ着手

回収1万5000羽 協力呼び掛け

 広島県三次市君田町の君田折り紙博物館は、広島市中区の平和記念公園に「原爆の子の像」が除幕されてことしで60周年を迎えたのを記念し、折り鶴を使って同像を模したオブジェの制作に乗り出した。原爆の日の8月6日に、同町の君田温泉森の泉で披露する予定だ。(八百村耕平)

 制作するオブジェは、高さ約2・5メートル、幅と奥行きはともに約1メートル。段ボールと発泡スチロールで形を作り、灰色の折り鶴を1万5千羽貼り付ける考えだ。

 折り鶴は、同館と同温泉、温泉に隣接するはらみちを美術館、同市十日市東の整体院「健生館」の4カ所に折り紙と回収箱を置き、それぞれの施設を訪れた人に折ってもらって集める。また、折り紙博物館主催の折り紙教室に参加するメンバーや地元の君田小、君田中の児童、生徒にも協力を呼び掛けて、作ってもらう。

 原爆の子の像は、1958年5月5日に除幕された。同館の赤木賢治館長(76)が「(像のモデルとなった)佐々木禎子さんと折り鶴の関係は深く、折り鶴でオブジェを作れば平和を訴えられる作品になるのでは」と考え、制作を決めた。

 除幕後、完成したオブジェは同館や同温泉などで展示する予定。赤木館長は「平和を願う思いが一つ一つ集まり、形になって多くの人に見てもらえたらうれしい」と話している。

(2018年6月27日朝刊掲載)

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