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脱原発の祝島「先進的」 金子教授 放牧養豚など見学

 脱原発についての著書があり、テレビ番組でも人気の慶応大の金子勝教授(60)が22日、中国電力の原発建設に住民の大半が反対する山口県上関町祝島を訪れ、住民と交流した。太陽光発電を生かした放牧養豚などを見て、「先進的な取り組み」と期待を寄せた。

 県内で自然エネルギー普及などを進める政治団体「みらい山口ネットワーク」が開いたイベントの一環。団体を設立した日本未来の党の飯田哲也代表代行(53)ら約20人と、民家に設置された太陽光発電パネルなどを見て回った。

 島の養豚業氏本長一さん(62)からは、太陽光発電の電気柵に囲まれた耕作放棄地で、規格外の果物などを餌にする放牧養豚の説明を受けた。取れた肉は東京都の高級料理店に直販している実情を知った金子教授は「島外にも目を向けてユニーク。広がる可能性を感じる」と述べた。

 飯田氏らと柳井市でのタウンミーティングにも参加。「コスト削減を目指して大規模化する産業は課題が多い。農業もエネルギーも地域分散型で利益を得る仕組みを考えるべきで、その素地は全国に広がっている」と話した。(久保田剛)

(2012年12月23日朝刊掲載)

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