×

ニュース

核廃絶署名をカザフに送付 広島「キャンバス」

 カザフスタンとの交流を続けている広島市の若者グループCANVaS(キャンバス)は19日、核兵器廃絶への賛同を求める署名を261人分集め、同国の反核市民団体ネバダ・セミパラチンスク運動に送った。同運動が集約して、国連に提出する予定という。

 署名は、大学生や社会人らキャンバスのメンバー約20人が、9月下旬から大学や職場で協力を呼び掛けて集めた。安佐北区出身で代表の小麻野貴之さん(33)=東京都=は「ヒロシマとカザフスタンという同じ核の被害地同士が連携し、核兵器廃絶を目指したい」と話していた。

 この署名は、同運動が2011年、カザフスタンにあるセミパラチンスク核実験場の閉鎖20周年を機に始めた。キャンバスのメンバーが今夏の現地ツアーで、かつての首都アルマトイにある同運動の本部を訪れたのがきっかけで、日本側の窓口として署名活動に協力することになった。(増田咲子)

カザフスタンの被曝(ひばく)者
 カザフスタンには、旧ソ連最大で約1万8500平方キロと四国とほぼ同じ面積のセミパラチンスク核実験場があり、1949年から89年まで450回以上も核実験が繰り返された。うち100回以上は空中や地上で行われたため、放射性物質が広範囲に広がり、異常出産が相次ぐなど深刻な被害が出ている。同核実験場は91年に閉鎖されたが、今も多くの人が心臓病や血圧の病気、肺がんなどに苦しんでいる。カザフスタン政府によると、影響がある人は約150万人に上るという。

(2012年12月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ