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県立広島大生ら「人間の塔」 スペイン伝統芸 あす広島でも

 庄原市七塚町の県立広島大庄原キャンパスで12日、スペインに伝わる「人間の塔」のパフォーマンスがあった。同国などから訪れている大学院生6人と県立大生が、高さ約5メートルの3段の塔をつくった。14日には、広島市中区の平和記念公園でも披露する。

 約10人が集った土台の上に1人が立ち、さらに1人が肩の上で立ち上がって塔が完成。グラジャと呼ばれる民俗楽器も演奏し、盛り上げた。中段で塔を支えた県立大大学院生命システム科学専攻の甲斐隆哲(たかあき)さん(24)は「大勢が一緒になって塔が完成してうれしい」と喜んだ。

 人間の塔は、スペインからの独立運動が続くカタルーニャ地方で200年以上続くパフォーマンス。一年を通じて祭りや催しで披露され、飛び入り参加もできる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。

 国際交流プログラムの一環で、生命科学科の菅裕准教授(46)の研究室が大学院生たちを招いた。同地方出身で英国の大学院で学ぶジュイス・ビア・エストレムさん(33)は、庄原市への移動中に崖崩れや倒れた家屋など、西日本豪雨の爪痕を見た。「大きな災害は悲しいが、団結力を示す塔を見て何か感じてほしい」。広島では、被災者に哀悼の意を示すため、無言で塔を組んで黙とうする「悼みの塔」を披露する。(永井友浩)

(2018年7月13日朝刊掲載)

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