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原爆画 色彩生々しく 洋画家ヘンリー市川さん作 広島女学院中高で学内展

 米ニューヨークで創作に励んだ洋画家ヘンリー市川さん(1925~2012年)の原爆画などを集めた展示が19日、広島市中区の広島女学院中高で始まった。生徒と関係者向けの学内展で、8月7日まで。

 市川さんは、文化勲章を受章した作家の故河野多恵子さんの夫。旧海軍の技術士官として被爆直後の長崎で遺体の片付けなどに従事し、広島でも被爆の惨状を目にしたという。

 ほぼ未公開で遺族の元に眠っていた原爆画の存在を知った同高卒業生が仲立ちし、生徒の学びになれば―と展示を実現させた。

 作品選びや展示作業は同中高の美術部員が担った。約40点の出展作のうち16点は、心象化しつつ被爆の光景を描いた原爆画とみられる。部員の高校2年、吉清日向子さん(16)は「生々しい色彩から原爆の恐ろしさが伝わってくる」と話していた。(道面雅量)

(2018年7月20日朝刊掲載)

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