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次代見据えヒロシマ発信 73年目の8・6特番

被爆ピアノの力 RCC 核ビジネス追う TSS

 原爆投下から73年目の夏、広島県内の放送各局はドラマや報道特番を通じて「8月6日」を見つめ、伝える。国際的な核兵器廃絶の取り組みや、被爆2世の問題など、未来に向かう視点からの番組も目立つ。(西村文)

■テレビ

 NHK広島放送局は開局90年ドラマ「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国2018」を8月6日午後7時半から全国放送する。広島市西区出身の漫画家こうの史代さんの原作をドラマ化。現代の広島を旅する親子の視点から、原爆に幸せを奪われた女性の生涯をたどる物語で、出演は常盤貴子、川栄李奈、橋爪功ら。

 同日午後10時からのNHKスペシャル「広島最後の問い」は、放射線の遺伝的影響を巡って揺れる研究者や被爆2世に焦点を当てる。

 RCCテレビは6日午前10時35分から「原爆ピアノ~ヒロシマ、あの日を知る音色」を放送。被爆ピアノを修理して各地でコンサートを開く被爆2世の調律師矢川光則さん(66)の活動を通じ、原爆を生き延びた音色が持つ力を描く。

 テレビ新広島は6日午前9時50分からの「おわりのはじまり~ノーベル平和賞のその先に」で、昨年ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の中心メンバー川崎哲(あきら)さんに密着。核保有国の圧力と核ビジネスの闇を追い、市民の力による廃絶の道筋を考える。

 広島テレビは6日午前0時55分(5日深夜)から、NNNドキュメント「『ただいま』と言えない…原爆供養塔に眠る814人」を全国放送。名前が判明しているのに引き取り手がない遺骨の現実を伝える。6日午前8時からの「つなぐヒロシマ」では、今年初めて被爆証言を決意した、一人の男性の心の内に迫る。

 広島ホームテレビは7日午前0時50分(6日深夜)から「忘れ島、金輪島」を放送。広島市の海岸からわずか1キロにある小島に隠された原爆の傷痕を、約70年ぶりに現地を訪れた女性の証言からたどる。

■ラジオ

 RCCラジオは6日正午から、詩人のアーサー・ビナードさんらの出演で「戦後73年 いま語り出す原爆の詩」を放送。体験継承の手段として詩に着目する。

 NHKラジオ第1は6日午後9時5分からの「スズメ~あの日からずっと一人じゃけぇ」で、10歳の時に原爆で家族を失った広島の男性の人生を歌と朗読でつづる。

 広島エフエムは6日正午から「復興の祈り~牧師・谷本清が遺(のこ)したもの」を放送。家族へのインタビューなどを通じ、広島の復興にささげた生涯を掘り起こす。

 番組タイトルなど一部変更になることがあります。

(2018年7月28日朝刊掲載)

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