×

平和行事

沖縄戦 裏側の闇に迫る 映画「沖縄スパイ戦史」 広島であすから

 太平洋戦争末期の沖縄戦には、日米両軍の戦闘にとどまらない、より複雑で陰惨な住民被害を生んだ「裏の戦争」があった―。ドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」は、2人の女性ジャーナリストがその真相に迫る入魂作。8日から広島市西区の横川シネマで公開される。

 沖縄のテレビ局を経てフリーに転身した三上智恵、大矢英代の両氏が監督。光を当てたのは、スパイやゲリラの専門訓練をした旧陸軍中野学校出身の若手将校らが、沖縄で「果たした」役割だ。

 彼らが「護郷隊」の名で組織した現地の少年ゲリラ部隊の末路、住民をスパイ視して処刑した数々の例、マラリアがはびこる離島への移住を強いたことで起きた悲劇…。映画はその実態を浮かび上がらせ、米軍基地とともに自衛隊の急な増強にも揺れる沖縄の島々の今、日本の今へと、問いを差し向ける。

 8日は午後7時からの上映後、三上監督と詩人アーサー・ビナードさんによるトークショーもある。上映は31日まで。岡山市北区のシネマ・クレールでも25~31日に上映する。(道面雅量)

(2018年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ