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社説・コラム

[ハロー ユニタール] アフガンの子に平和を

 現在のユニタール広島事務所員の中でも古株の一人、サバフディーン・サクートさん(44)は、アフガニスタン・カブールで研修プログラムの準備や実施に携わる現地職員です。

 2005年の研修プログラムに応募したのがユニタールとの出合い。混迷が続く母国に「広島の復興に隠された秘密を知りたい」と来日したそうです。07年からスタッフになりました。

 母国では「みんながリーダーになりたい」ため、時としてチームワークの意識が薄いとか。プログラムに携わり、自分を抑えて周囲の人に気付かせ、手助けする役割を肌で学びました。

 多くの外国資本が入り、雇用の増加や女子の教育の機会の拡充など改善を実感するというサクートさん。他方、タリバンの時代には犯罪者への容赦のない罰則により結果的に体感治安はよかったものが、殺人や自爆テロなど治安の悪化が目立つと言います。自分や家族が襲われないよう隣近所にも決して職業を明かさないとか。自身もテロでけがをするなど危険な目に遭ったこともあるそうです。

 「本気で平和がほしい」と力を込めるサクートさん。あいまいなビジョンではなく、全国民が自ら責任をもって歩んでいく、確実な目標としての平和を追求しています。「子どもたちに平和を味わってもらいたい」(守田葉子)

(2018年8月7日セレクト掲載)

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