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広島・長崎市長と懇談 国連事務総長 被爆者とも面会

 国連のグテレス事務総長は8日、長崎市を訪れ、松井一実広島市長や田上富久長崎市長たち被爆地の首長、議会議長と懇談した。被爆者とも面会して訴えに耳を傾け、「核兵器のない世界の実現に向けた希望と決意を、みなさんと共有する」と語った。

 グテレス氏は、9日に長崎市である平和祈念式典に現職の国連事務総長として初めて出席するのに先立ち、現地入りした。

 懇談には永田雅紀広島市議会議長、中村法道長崎県知事たちも参加。グテレス氏は「被爆地の市民との連帯を表明したい。あれほどの犠牲を負いながら、強い国を再建した人々の回復力に対し、敬意も示したい」とたたえた。

 松井市長は平和首長会議の活動を紹介し、「連携を視野に入れてほしい」と要請。田上市長は各国のリーダーに被爆地訪問を促すよう求めた。グテレス氏は「両市のイニシアチブに感謝する。国連もフルサポートしたい」と応じた。

 続いて、長崎の被爆者5団体の各代表、9日の式典に広島市の被爆者代表として参列する井上エミ子さん(79)=安芸区=たち8人と対面。平和への思いを聞き、「みなさんの証言は重要だ。大きな教訓にもなる。世界に届け続けてほしい」と述べた。

 終了後、井上さんは「核兵器のない世界へ共に進む、との言葉はうれしかった。ぜひ実行してほしい」と願っていた。(田中美千子)

(2018年8月9日朝刊掲載)

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