×

ニュース

ヒロシマ AIでカラー化 写真 数秒で自動着色

 戦前や戦後復興期の広島の白黒写真を、人工知能(AI)技術を活用してカラー化するワークショップが8日、広島市中区の市立中央図書館であった。東京大大学院の渡邉英徳教授が講師を務め、約20人が持ち寄った写真を彩色した。

 参加者は家族写真などをスマートフォンで読み込んで挑戦した。早稲田大の石川博教授たちが開発し、大量の写真から自然な色合いを学んだAIが自動着色する技術を活用。数秒でカラーになると、「すごい」と声が上がり、家族の思い出を語る人もいた。

 幟町小(中区)の平和資料室設立に関わった同区の岡部喜久雄さん(69)は、1935年に撮影された同小のクラス写真をカラー化。「子どもたちが後に戦争に巻き込まれるという事実が迫ってくる」と話した。

 同図書館の主催。渡邉教授は「写真がカラーになると身近に感じられ、記憶や感性が刺激される。そこで生まれる会話が、改めて戦争被害や平和を考える機会になれば」としている。(明知隼二)

(2018年8月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ