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福山空襲73年 非戦願う 慰霊式や平和集会 中高生、演劇で訴え

 市街地の8割が焼失した福山空襲から73年となった8日、福山市霞町の中央公園で「原爆・福山戦災死没者慰霊式」があり、参列者が恒久平和を誓った。平和集会もあり、非戦を願って中高生が空襲を題材にした演劇などを披露した。(高本友子)

 慰霊式には約280人が参列。折り鶴や折りばらを慰霊碑前にささげた。枝広直幹市長は、国連の核兵器禁止条約採択などで、核兵器廃絶の機運が高まっているとし、「平和で核兵器のない世界に向けて全力を尽くす」と宣言。福山空襲の遺族代表の森近長一さん(83)=同町=は「戦争はええことは一つもない。平和の大切さを訴えたい」と訴えた。

 同市松浜町では「市民平和のつどい・市民平和大会」があり、約1100人が参加した。市立福山中・高(赤坂町)演劇部は、福山空襲を題材にした「銀の空」を初上演。

 福山を襲ったB29爆撃機を擬人化した同部のオリジナル脚本で、戦争に耐えて暮らす市民と、一つの作戦として無慈悲に福山を焼き尽くすB29とを、対比させるように描いた。

 脚本を書いた同部の高校2年島津廉太朗さん(16)は「戦争は人間が作った兵器で人間が争う。通常と別の視点にし、より深く伝えたかった」と話す。

 いずれも原水爆禁止運動福山推進連盟の主催。空襲は福山にとって最大の戦災で、354人が犠牲となった。

(2018年8月9日朝刊掲載)

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