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長崎で平和祈念式典 平和宣言「日本は条約に賛同を」

 長崎は9日、被爆から73年を迎えた。長崎市の平和公園で平和祈念式典が営まれた。国連のグデレス事務総長が初めて式典に出席した。

 原爆が投下された午前11時2分、参列者が黙とう。田上富久市長は平和宣言の中で、世界に核兵器禁止条約への署名と批准を呼び掛けるとともに、日本政府に対しても「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすこと」を強く求めた。さらに朝鮮半島の非核化に向けた動きへの期待とともに「北東アジア非核兵器地帯」の実現に向けた努力を日本政府に求めた。憲法の平和主義を次世代に引き継ぐことの大切さを強調し、原発事故からの復興に努める福島にも、8年続けて言及した。

 安倍晋三首相はあいさつで、6日の広島原爆の日と同じように、保有国と非保有国の橋渡しが必要だと強調するにとどまった。グテレス事務総長は「核廃絶は国連の最優先課題。長崎から全ての国に、目に見える進展を求める。保有国には特別な責任がある」と述べた。

 7月末までの1年間に、長崎市は被爆者3443人の死亡を確認した。今年から国が定めた地域外で原爆に遭った「被爆体験者」も死没者名簿の対象とし、記載総数は体験者54人を含む計17万9226人となった。

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