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火薬庫跡 土石流で損壊 大久野島の毒ガス工場関連遺跡

 竹原市の大久野島に残る旧日本陸軍の毒ガス工場関連遺跡のうち、毒ガスの貯蔵庫として使われていた「火薬庫跡」が、西日本豪雨で損壊していたことが分かった。

 大久野島では旧陸軍が1929年からイペリットガスや催涙ガスなどを製造した。現在は発電所跡や砲台跡など約30カ所の戦争関連遺跡が残っている。

 れんが造りの「火薬庫跡」は明治期の芸予要塞(ようさい)時代に砲台の弾薬を保管し、毒ガス工場ができてからは製品の貯蔵庫として使われた。朝鮮戦争の際は米軍が火薬庫として使った。

 島を管理する環境省広島事務所(広島市中区)は「毒ガス製造の歴史を伝える大切な遺跡。修復するか撤去するかはまだ白紙」としている。他の遺跡の損壊は現時点で確認していないという。(山田祐)

(2018年8月11日朝刊掲載)

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