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復興への熱気 再び ひろしま盆ダンス 1万5000人

 踊りを通じて原爆犠牲者を悼み、平和を願う祭り「ひろしま盆ダンス」(中国新聞社主催)が11日、広島市中区の旧市民球場跡地であり、約1万5千人が訪れた。被爆翌年の1946年に同じ場所であった「戦災供養盆踊り大会」を原点とするイベント。市民の舞に来場者も加わり、熱気に包まれた。

 呼び込み太鼓で始まった開会式では、参加者全員が原爆死没者と西日本豪雨の犠牲者に黙とう。中国新聞社の岡谷義則社長が「今は亡き懐かしい人たちを供養するとともに、世界から広島に集まった平和の願いを再び発信するイベントとしたい」とあいさつした。

 紅白のちょうちんがともるやぐらの上で、8団体が踊りを披露。安芸区船越地区の女性会の約60人は、法被姿でうちわを持つ手をゆったりと振り、地元の民謡「船越音頭」を踊った。観客の飛び入り参加もあり、手拍子で盛り上がった。

 フィナーレは、全員で「広島音頭」の総踊り。観客も和太鼓と三味線のリズムに乗って手足を動かし、会場は一体感に包まれた。

 盆踊りは、移民とともに海を渡り、ブラジルや米ハワイでも継承され、親しまれている。この日の会場にも多くの外国人客が訪れた。(新本恭子)

(2018年8月12日朝刊掲載)

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