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民喜作品 日韓の学生朗読 15日、広島で「反戦・原爆詩のつどい」

 「8・15 反戦・原爆詩を朗読する市民のつどい」が15日午後2時から、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで開かれる。広島文学資料保全の会、広島花幻忌の会などが主催。今年は被爆作家の原民喜をメインテーマに、日韓両国の学生が民喜の作品を朗読。仕上げの練習に励んでいる。

 朗読するのは、中区のヒューマンアカデミー広島校の学生ら7人と、市内で日本語などを短期研修している韓国の群山(クンサン)大とソウル神学大の学生16人。民喜が被爆直後の惨状を克明につづった「原爆被災時の手帳」や小説「鎮魂歌」、詩「原爆小景」を朗読用に構成して挑む。

 韓国の学生は、「原爆小景」の中から「水ヲ下サイ」「コレガ人間ナノデス」など5編を朗読。事前に民喜の文学について学び、ゆかりの地も巡った。案内役を務めた民喜のおいの原時彦さん(83)は「皆さんに世界平和を紡いでいってほしい」と語り掛けた。

 群山大1年の林柔沢(イム・ユテク)さん(24)は「民喜の作品を通して、被爆した人の痛みを少しずつ感じることができている。8月15日は韓国にとっても大切な日。日本の学生と一緒に朗読できるのは意味があるし、韓国人として平和を望む気持ちを表現したい」と意気込む。

 2002年から毎夏開いている集い。朗読に続き、花幻忌の会初代会長を務めた故大牟田稔さんの次男で毎日放送プロデューサーの大牟田聡さん(55)が、民喜作品の読み解き方について講演する。資料代500円。(石井雄一)

(2018年8月14日朝刊掲載)

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