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海軍工廠で犠牲 学徒を追悼 光と山口で集会

 終戦前日の米軍による光市の光海軍工廠(こうしょう)への空襲で犠牲になった動員学徒を慰霊する集会が14日、同市と山口市であった。

 光市光井の光井小では「悠久の碑」前に同級生2人を含む6人が集まり、光井国民学校高等科1年だった6人を追悼した。碑が建立された1973年から続くが、最も少ない人数だった。

 午後0時20分。空襲が始まった時刻に流された追悼サイレンに合わせて黙とうをささげた。高齢化が進み、最大で約80人いた出席者は年々少なくなっているという。

 同級生で元動員学徒の岡村武さん(85)=同市光井=は「ことしも出席できてよかった」。毎年参加してきた中村富雄さん(85)=同市中央=は「来年はどうなるか分からないが、息絶えるまでここに来たい」と話した。

 山口市糸米の山口高では旧制山口中の16人の追悼のため、同級生や遺族、後輩たち約40人が参列した。猛暑のため式は校内の記念館で営み、慰霊碑「平和の母子像」に献花して手を合わせた。

 同級生を代表してあいさつした伊藤健生さん(89)=同市湯田温泉=は「一緒に昼食を食べ、先に工場へ帰った仲間は亡くなり、防空壕(ごう)に逃げられた自分は助かった」と、73年たっても忘れられない思いを語った。(高田果歩、佐藤正明)

(2018年8月15日朝刊掲載)

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