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核なき世界 若者呼び掛け 国際フォーラム 高校生ら「広島宣言」

 広島県が主催する「ひろしまジュニア国際フォーラム」に参加した県内と国内外の高校生たち79人が21日、平和を実現するための道筋を盛り込んだ「広島宣言」をまとめた。核兵器廃絶に向けて国家が対話を深める場を持つ重要性を指摘し、若者も署名集めなどで世論に働き掛けることができると呼び掛けた。

 代表して22人が、広島市中区の広島国際会議場であった報告会で宣言を披露した。A4判6ページの文章を英語で読み上げ、湯崎英彦知事に手渡した。

 宣言は、核兵器禁止条約などを巡る核保有国と非核保有国の間だけでなく、非核保有国の間にも溝があると指摘。核廃絶を話し合う新たな会合の開催を全ての核保有国に呼び掛けるとともに、核保有国の同盟国も「核兵器の非人道性を理解するべきだ」とした。

 若者が担える役割として3項目を挙げた。核廃絶に向けた署名集めは、世論に影響を与えることで核抑止論を乗り越えられると主張。広島での経験を伝える個人のネットワークを広げ、自ら学び続けて他国を理解する重要性も掲げた。

 フォーラムは19日に開会した。閉会日の22日は、安古市高(安佐南区)で生徒と交流する。スリランカのチャニ・サムドラデワさん(17)は「広島の戦後復興に勇気づけられた。知り合えた世界の仲間と平和のために行動したい」と話した。(教蓮孝匡)

(2018年8月22日朝刊掲載)

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