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核廃絶へ多国間交渉を ひろしまラウンドテーブル 議長声明 2日間の討議終える

 東アジアの核軍縮の道筋を探る広島県主催の会議「ひろしまラウンドテーブル」は23日、広島市南区のホテルでの2日間の討議を終えて、議長声明をまとめた。朝鮮半島の非核化や核兵器の廃絶に向けて、多国間の外交交渉による安全保障組織の確立など具体的な行動を提言した。

 声明は、朝鮮半島の非核化について、6月にシンガポールであった初の米朝首脳会談の合意内容では「達成に向けた具体的な手段とは言えない」と指摘。北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の関係国を含む多くの国の協力が必要として、国際社会のさらなる対話や行動を促した。

 核兵器に頼らない安全保障の実現では、核兵器の削減と廃絶▽核抑止への依存の緩和▽核兵器使用のリスク低減―の3分野で道筋を示した。声明は、来年春に米ニューヨークである予定の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会に提出する。

 議長を務めた東京大大学院の藤原帰一教授(国際政治学)は「被爆地の広島が平和構築を主導し、発信する意義は大きい」。湯崎英彦知事は「提言の実現に向けた協力を、日本政府に働き掛けたい」と強調した。

 ラウンドテーブルは2013年から毎年開いている。今回は日本、中国、韓国、米国、ロシアなど9カ国から、軍縮や国防の専門家たち計23人が参加した。(教蓮孝匡)

(2018年8月24日朝刊掲載)

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