×

ニュース

イージス調査に理解 防衛省の3度目説明終了 山口県阿武町長 住民から反対噴出

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の山口県内への配備計画について、防衛省は29日、候補地の萩市と阿武町での3度目の住民説明会を終えた。国が現地調査の手続きを延期して実施。住民からは変わらず反対意見が噴出したが、一連の説明を受け花田憲彦町長は「調査はやむを得ない」と理解を示した。藤道健二市長も一定に評価し、近く調査に対する是非を表明する。

 現地調査を巡っては、両市町が「住民不安が解消されていない」などとして、8月2日予定の開札延期を国に要請。国が9月12日に延期し、再度の住民説明会開催に応じていた。

 候補地の陸上自衛隊むつみ演習場のある萩市と阿武町の計4会場で開催。延べ560人が参加した。同省職員が電磁波や地質・測量の調査を進め「仮に不適なら候補地を見直す」と説明した。県内や周辺の国有地も検討すると述べた。

 各会場には両市町の首長もそれぞれ出席。住民からは配備計画の撤回を求める意見が相次ぎ、現地調査に反対する声も上がった。一方、同市むつみ地区の住民に限定した27日の説明会では地元の雇用や補償を尋ねる参加者もいた。

 これまで「国は拙速」と批判してきた花田町長は、報道陣の取材に配備受け入れ判断は別として「調査しないと分からないこともある。一歩譲らざるを得ない」と調査自体は容認するとの立場を表明。藤道市長も「一定の説明があった」と理解を示した。

 同省は近く電波環境調査の入札を公告。現地での地質・測量調査と合わせ9月12日の開札を予定する。現時点で配備先が決まっていないため「来年度に造成工事はしない」としている。(和多正憲、門脇正樹)

(2018年8月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ