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「黒い雨」訴訟 13人追加提訴 広島地裁 原告88人に

 広島の原爆投下後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたのに、被爆者健康手帳などの交付申請を却下したのは違法として、広島市などの住民が市と広島県に却下処分の取り消しを求めた集団訴訟で、同市と安芸太田町の73~94歳の男女13人が4日、広島地裁に追加提訴した。原告は計88人になった。

 訴状によると、黒い雨を浴びた原告は原爆の放射能の影響を受けており、被爆者援護法の「3号被爆」に当たると主張。国指定の対象区域で黒い雨を浴びた人が無料で健康診断を受けられる受診者証の取得申請の却下処分についても「対象区域が狭すぎ、著しく不平等」と訴えている。

 提訴後の原告の記者会見では、安野村坪野(現安芸太田町坪野)で黒い雨を浴びたという女性(87)は「白い服に黒い点が付き、洗濯しても落ちなかった」と当時の状況を説明。胃がんや白内障を患う原告もいる中、代理人弁護士が早期援護の必要性を訴えた。市と県は「訴状が届いていないためコメントできない」としている。

(2018年9月5日朝刊掲載)

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