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レストハウス再開 延期 大規模改修で20年7月に 広島の平和公園

 広島市は6日、平和記念公園(中区)にある被爆建物のレストハウス改修について、再オープンが当初予定の2019年度内から、20年7月にずれ込むと発表した。建物のコンクリート劣化が想定よりも進んでおり、大規模改修が必要と判明したため。事業費は2億1960万円増え、9億4130万円となる。

 市はことし1~5月、コンクリートの劣化状況について赤外線や超音波による非破壊検査を実施。分析の結果、当初の想定以上に経年劣化が進み、建物の維持や活用には大規模なコンクリートの打ち直しなどが必要なことが分かった。

 市は秋にも着工し、19年度中の完成、再オープンを予定していたが、日程を変更。本年度内に着工し、20年春ごろの工事終了を目指す。工期や工事内容の見直しに伴い、19年度に設定していた債務負担行為は、19、20年度の2カ年に変更する。

 改修は市の被爆70年事業の一環で、当初は18年度の再オープンを計画。できるだけ被爆時の建材を残すよう求める文化庁の助言を踏まえ、市は調査や工法などを再検討し、これまでも再オープン時期を繰り返し延期してきた。市おもてなし推進担当は「文化庁との調整に時間がかかった。被爆75年の8月6日には間に合わせる」としている。

 レストハウスは爆心地の南西約170メートルにあり、鉄筋地上3階、地下1階延べ1011平方メートル。1929年に大正屋呉服店として建設された。市は建設時に近い外観に復元し、内部は観光案内所や売店、旧中島地区に関する展示室などを設ける方針。(明知隼二)

(2018年9月7日朝刊掲載)

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