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市女生の被爆 伝えたい 卒業生、手記集など初展示 16日 広島で国際交流イベント

 原爆投下で生徒と教職員計676人が死亡した広島市立第一高女(市女、現舟入高)の卒業生らが16日、東区民文化センターで開かれる国際交流イベント「ワールドフェスタ」に初めて参加する。原爆に娘を奪われた遺族の思いなどを紹介する。

 市女卒業生の加藤八千代さん(89)=西区=と舟入高卒業生の林玲子さん(77)=西区=が、市民グループ「PJ.ひろしま21」の主催で2013年に始まったフェスタを知り、「舟入・市女同窓会」のブースを企画した。

 同窓会が出版した遺族の手記集「流燈(りゅうとう)」を展示。その中から2年生の娘を奪われた母の愛と悲しみをつづった「思い出」と「父の追憶と懺悔(ざんげ)」を選んで紹介する。

 市女の歴史をまとめた記念誌「証」も展示。さらに占領下の1948年、米国に配慮して原爆犠牲を前面に出さずに「平和塔」として建立した市女の慰霊碑の経緯をまとめたプリントも配布する予定だ。

 当日は午前11時~午後4時半。加藤さんと林さんが会場で質問に応じる。林さんは「市女の被爆体験を語れる人が少なくなる中、若い世代にもしっかり伝えたい」と意気込む。フェスタ事務局☎082(273)7325。(桑島美帆)

(2018年9月11日朝刊掲載)

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