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平和行事

「夕凪の街」複製原画23枚 資料館地下で企画展

 戦後の広島で懸命に生きる被爆者の女性を描いた漫画家こうの史代さんの作品「夕凪(ゆうなぎ)の街」の複製原画展が、広島市中区の原爆資料館東館の地下1階で開かれている。来年2月28日までで、無料。

 被爆10年後の広島で過ごす主人公の女性の日常や、突然よみがえる被爆の記憶に苦しむ場面など、カラー3枚を含む原画の複製パネル23枚を展示。当時の暮らしぶりや、登場人物の喜怒哀楽を細やかに描いた筆致を間近に見ることができる。

 神奈川県厚木市の会社員東靖則さん(55)は「優しい絵なのに、日常に被爆の影響が忍び込んでくる様子に引き込まれた」と見入っていた。

 2003年に漫画誌で発表してから9月で15年となるのを機に、同館が企画。同館情報資料室では、英語や中国語などの翻訳版、こうのさんが03年に自費出版した冊子版も読める。(明知隼二)

(2018年9月14日朝刊掲載)

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