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「はだしのゲン」 演劇創作 朗読劇 立体的に再構成 松江の劇団 17日初演

 松江市民らでつくる「劇団幻影舞台」が、漫画「はだしのゲン」を題材にした演劇をつくった。これまで身ぶり手ぶりを交えて演じてきた朗読劇の脚本を再構成した。17日に同市殿町の県民会館であるしまね演劇コンクールで初めて上演した。(口元惇矢)

 劇団は1981年に旗揚げし、現在は20~70代の13人で活動する。主宰の清原眞さん(69)=同市春日町=が2013年8月、同市教委による「はだしのゲン」の閲覧制限が問題になったのを受け、朗読劇の台本を書き上げ、同年10月に初演。以来、県内に加えて広島市でも披露するなど公演は11回に上る。

 劇は、同市に原爆が投下されるまでのゲンと家族の姿を描く。朗読劇は「想像力をかき立てられる」との評価を得る一方、「演劇も見てみたい」という声もあった。約1時間20分の朗読劇の台本を基に、45分の演劇用の台本を新たに書き上げた。衣装のほか、時代背景に合わせて大八車やげた、竹やりなどの小道具も用意した。

 「演劇なら体の動きや小道具などでより立体的にメッセージを伝えることができる」と清原さん。「『はだしのゲン』を通して原爆の悲惨さ、そして家族愛や教育について思いを巡らせてほしい」と話している。

 コンクールには、浜田、益田市などから5団体が参加。劇団幻影舞台は午後2時15分から公演する。入場料は一般千円、学生500円。

(2018年9月15日朝刊掲載)

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