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米の教会員、本川小訪問 支援に返礼の絵制作 元児童と対面

 爆心地に近い本川小(広島市中区)に1947年、文房具などの支援物資を贈り、お礼に児童の絵や習字の作品を受け取った米国の教会のメンバーが同小を訪れ、絵を描いた元児童と初めて対面した。

 首都ワシントンのオール・ソウルズ・ユニテリアン教会のジョン・スタインバックさん(71)。95年に教会員の一人が保管していた48点を教会に持ち込んだ際に居合わせた一人だ。作品はそれを機に光が当たり、現在は同教会が保管。本川小に複製を寄贈した。

 スタインバックさんは絵が展示されている本川小平和資料館を訪問。サクラの木の下で遊ぶ子どもたちを描いた石田俊海さん(77)と一緒に作品のパネルの前に立ち、「物資が不足し、クレヨンも貴重だった時代。大切に使った」などと説明を受けた。

 米反核団体「首都圏ヒロシマ・ナガサキ平和委員会」で活動するスタインバックさんは、日本原水協などの原水爆禁止世界大会出席のため広島を訪れたことはあるが、元児童と会うのは初めて。「石田さんを通じ、いつの時代も子どもは平和な未来への希望だという思いを新たにした。広島の壊滅と復興を伝える書画は世界的な意味がある」と話していた。(金崎由美)

(2018年9月24日朝刊掲載)

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