×

ニュース

原爆の絵碑 再開発で撤去 エソール広島 行き先は未定

 脚本家の故早坂暁さんが会長を務めた市民団体「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」が広島市中区富士見町の県女性総合センター「エソール広島」に設置した「原爆の絵碑」が25日、取り外された。一帯の再開発計画のためで、行き先は決まっていない。

 同会が市内の10カ所に設置した一つで、その場所ごとに惨状を描く被爆者の絵を陶板の碑にしている。エソール広島の玄関近くの壁には、焼け跡で人々が苦しむ被爆翌日の光景を伝える縦60センチ、横1メートルの絵碑があった。

 この日は同会が依頼した業者が工具を使って壁から外した。会として今年1月、再開発後も現地に再設置するよう県に要望したが、具体案は決まらないまま。当面は業者に保管してもらい、県側の動きを待つという。

 エソール広島跡地を含む一帯には、米ヒルトンを運営事業予定者とする多機能型ホテルが建設される。県人権男女共同参画課は「今後、ヒルトンに会の要望を伝え、ホテル敷地が難しいなら会と一緒に代替地を探したい」としている。(山本祐司)

(2018年9月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ