×

ニュース

Tシャツ作り 被爆樹木アート ゼロプロジェクト開始

 広島国際文化財団が協賛し、アートを中心に平和を発信する「ヒロシマ・ナガサキ ZERO PROJECT(ゼロプロジェクト)」が6日、広島市中区で始まった。

 ことしで2年目。初日は浄土宗妙慶院で「ピース・ピース(平和のかけら)」と題するワークショップがあり、約30人が参加。広島の惨状を米国に伝えた故谷本清牧師の長女近藤紘子さん(73)の証言を基にした映像を見た後、戦争や原爆について語り合った。

 続いて中国新聞ジュニアライター6人を含む若者が穴吹デザイン専門学校(南区)の教員らの指導で平和を発信するTシャツ作りに挑戦。ハートやピースサインなどのデザインを思い思いにプリントし、作品を近くのギャラリーに掲げた。安田女子大2年の松原美奈さん(20)は「アートを通して人がつながり、核廃絶への関心がより集まるようになれば」と話していた。

 また被爆建物の旧日本銀行広島支店では、米国のアーティスト、キャノン・ハーシーさん(41)ら日米の3人のアート展が開幕した。ルポ「ヒロシマ」で被爆の惨状を伝えた祖父ジョン・ハーシーの思いを継ぎ、同プロジェクトを提唱したキャノンさんは被爆樹木がテーマの映像を公開した。14日まで。(山本祐司)

(2018年10月7日朝刊掲載)

被爆樹木 映像と詩で発信 ジュニアライターがワークショップ

 「ZERO PROJECT」のプログラムの一つとして7日、旧日本銀行広島支店の会場では、中国新聞ジュニアライター7人が参加したワークショップがあった。ヒロシマの被爆樹木をアートでどう発信するかを考えた。

 最初に、会場で公開されている被爆樹木をテーマとしたキャノン・ハーシーさんの映像作品、米シアトルの映像作家ピーター・ビルさんの版画風アート、東京のアーティスト藤元明さんのインスタレーション「幻爆」などを鑑賞。近くの平和大通りにあるかつての国泰寺境内に12本が残る被爆樹木を訪れ、手で触ったり、写真を撮ったりした。

 続いて、ビルさんが用意した広島市内の被爆樹木の映像に、ジュニアライター7人が生き続ける木の気持ちになって書いた詩を載せた映像作品を仕上げ、その前で一人一人が自分の詩を読み上げた。

 ワークショップの作品は「1future」のサイトの以下のアドレスから見ることができます。また14日までのプロジェクト会期中、会場の旧日銀広島支店で随時、上映される予定です。

http://1future.com/creative-workshop-with-hibukujumoku/

 ZERO PROJECTの関連行事は次の通りです。

◆「KOMACHI ART PLACE」(平和大通り、広島市中区小町2の37)

 10月6日に行われたワークショップ「PEACE PIECE」の参加者が平和の意味を考え、思い思いにイラストやメッセージをプリントしたオリジナルTシャツ約30枚を展示==10月14日まで

 問い合わせは事務局のワン・ドリーム090(3979)3105

◆ZERO PROJECT アート展示

 旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町)
 10月6日~14日 午前10時―午後6時 入場無料
 キャノン・ハーシー(被爆樹木のシルクスクリーンと映像)
 ピーター・ビル(被爆樹木の版画)
 藤元明(インスタレーション「幻爆」、折り鶴再生紙)

 13日午前10時―午後5時
 メディア・ワークショップ with Youth
 (若者の対話と映像表現のワークショップ)

 午後6時 ユナイテッド・ピープル 関根健次さんとのコラボレーション
      平和を考える映画の上映とパネルディスカッション
  14日 元米国防長官ウイリアム・ペリー氏との対話
      (ネット中継、午前10時から11時)
     (「核兵器なき世界」の提唱者、ペリー氏と若者たちが核廃絶の状況と       展望について語る)
 午前10時―午後4時
 メディアワークショップ ビデオコンテンツの制作、SNS発信の実践

年別アーカイブ