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核廃絶 島根から決意 松江 県原爆死没者慰霊式に150人

 島根県内の原爆死没者を悼む慰霊式が10日、松江市学園南の北公園原爆慰霊碑前であった。被爆者や遺族、地元の母衣小の児童たち約150人が参列し、平和への思いを新たにした。

 県原爆被爆者協議会会長の原美男さん(91)=同市玉湯町=が、昨秋以降に遺族から記載の申し入れなどがあった9人の死没者名簿を奉納。参列者全員で黙とうした。

 原さんは式辞で、昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約を批准していない政府の対応に触れ「核兵器保有国との対話と協調に向け、唯一の被爆国の責任を果たしてほしい」と強調。「核兵器廃絶に向け、残された時を使命感を持って全力で生きてまいります」と述べた。

 3歳の時、母と1歳の妹と共に、爆心地から約800メートル離れた広島市小網町(現中区)で被爆した寺島智恵子さん(76)=松江市淞北台=は、同協議会を代表して平和の誓いを読み上げ、「悲願の核兵器と戦争のない世界平和の実現」を決意。母衣小6年生78人が「空は今」を合唱した。

 8月31日現在、県内の被爆者数は890人で、平均年齢は87・95歳。(三宅瞳)

(2018年10月11日朝刊掲載)

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