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硫黄島戦死者の遺品戻る 資料や小説7点 田布施の遺族へ

 太平洋戦争の激戦地硫黄島で27歳で戦死した山口県周南市大河内出身の角戸行夫さんの遺品が11日、おいの角戸正則さん(63)=田布施町=に返還された。米国の団体が遺族会を通じて届けた。

 返還されたのは、健康状態や性格などを記録した軍の資料や、所持していた小説など計7点。資料には「義務心旺盛ニシテ積極的ナリ」などと記されている。同日に山口市の県護国神社で周南市連合遺族会の松並秀夫理事(70)が正則さんに手渡した。

 遺品は米軍人が硫黄島の洞窟で発見して持ち帰り自宅で保管していた。遺品の返還活動に取り組む米国の団体から連絡を受けた遺族会が持ち主を探していた。

 遺品を確認した正則さんは「叔父の遺骨は見つからず、墓には何も入っていない。73年を経て持ち物だけでも帰ってきてくれて本当にうれしい。亡くなった祖母や父の墓前に報告したい」と感無量の様子だった。(佐藤憲佑)

(2018年10月12日朝刊掲載)

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